自宅に巣作りしたムクドリ夫妻の雛が、壁の隙間に転落!?
雛の救助と保護、そして親鳥に続けて世話をして貰えるようにとった作戦。
すっかり巻き込まれてしまったムクドリ子育て日記です。

■プロローグ
■2010/5/22ムク雛救出大作戦その1
■2010/5/23ムク雛救出大作戦その2
■2010/5/24親鳥おびき寄せ大作戦
■2010/5/25カラス対策大作戦
■2010/5/26親鳥おびき寄せ大作戦最終形
■2010/5/27巣立ち大作戦その1
■2010/5/28巣立ち大作戦その2
■2010/5/30その後
■データ集


データ集   
今回のデータ一覧です。保温は作成途中です〜


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■餌について
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■人間が与えた餌
 ●日本ペットフードのQ-CHAN
 ペットショップ・ホームセンターなどで入手可能。温かいぬるま湯にくぐらせてから食べさせましたが
 あまりお気に召さなかったようで、すぐ口を開けなくなりました。

 ●KAYTEE・エグザクトレインボー ソフトビル(九官鳥・トゥーカン用)
 鳥専門店やジョイフル本田で入手可能。こちらも同様に暖かいぬるま湯にくぐらせてから食べさせましたが
 同様にあまり好きじゃない模様。

 ●ミルワーム
 ペットショップで入手可能。写真右下のように購入直後は痩せていて美味しくなさそうなので、
 パン粉+野菜クズやバナナの皮+ビタミン剤とカルシウム剤で左上のように畜養します。
 グルメな個体の場合は白い脱皮したてを好みますが・・・ムクヒナたちはあまり気にしないというか・・・
 旨いけどちっちゃくて食べ応えがないと感じていたようです。頭を潰してから与えます。
 

 ●ブドウムシ
 川釣り用品のある釣具店で入手可能。これが一番人気がありました。
 親鳥の給餌が始まるまで、ペレットなどだと口を開けませんでしたがブドウムシ見るとすぐ口を開けました。
 こちらも頭を潰してから与えます。

 ●鶏のささみ
 22日のみ応急食としてミルワームぐらいのサイズに切って食べさせました。

 ●果物類
 とりあえずバナナ平気でしたね。水分補給を目的とするなら、果汁の多いものが良いと思います。
 ただ、気管に果汁が入らないよう注意する必要があります。


■親鳥が与えていた餌
 ●桜の実
 ●桑の実
 ●2cmぐらいある昆虫類

水分補給で頭を悩ませていましたが、親鳥はは果実で補っていたようなので、水分はフルーツ類で
与えると良いようです。
それでもやはり動物質の方が多く必要なようで、大半は昆虫類でした。(昆虫の種類はモニターの画像が
悪すぎて判別できませんでした)
人が与えていた物のなかではブドウムシを一番好みました。大きいから食べ応えがあるんでしょうね。
今回、応急で鶏のささみを細かくした物も食べさせましたが、特にお腹を壊しもしませんでした。
ムクドリの場合はゆで卵の白身や果実類なども応急食になると思います。
また、ムクドリは動物質8割・植物質2割が良いと聞いたことがあります。ヒヨドリは逆だそうです。

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■保温について
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鳥の体温は42度前後あります。
また、代謝が早い体をしているので、絶食すると瞬く間に体温が保持できなくなってしまいます。
そのため、鳥を保護した場合、夏場でも保温が不可欠になるケースが多いです。

●接触保温タイプ (動けなくなっている鳥・雛に有効)
緊急時にはこれしかないケースも多いと思います。
ホッカイロやもしくはお湯をペットボトルに入れた簡易湯たんぽや電気アンカやホットカーペット
などを使って、鳥に低温の熱源を接触させて暖めるタイプです。
この場合、低温火傷しないようにタオルなどでつつんで、鳥の体の横に添えるようにして暖めます。
接触タイプの保温は、低温火傷の可能性があるので、時々接触面をかえる必要があります。
※ホッカイロ使用時の注意。
 ホッカイロは発熱の際に酸素を使います。狭い密閉空間内に、鳥とホッカイロを入れた場合
 鳥が酸欠になってしまう恐れがありますので、ホッカイロと共に鳥を密閉しないでください。

●空間保温タイプ 
鳥を安全に保温するのに一番適しています。
鳥が入った箱の中をペットヒーターなどで必要温度に暖めます。熱源は高温となるものも多いため
鳥と接触しないように設置します。
箱の外からホッカイロを多数貼ったりするのもOKです。熱が出る白熱灯などを使ったり、換気や
火災に注意をして、こたつなどを利用しても良いと思います。
今回、私が作ったクーラーボックスの保温箱もこの空間保温タイプです。
雛はガラスケースの中に入るのでヒーターとは接触しないので安全です。そして、クーラーボックスに
よって内部の温度を逃がさないようにして、サーモスタットで温度管理をしています。



保温の必要温度は鳥の体調によるため、一概に何度とは言えません。
鳥種によっても違う場合が多いです。
ただ、
成鳥や瀕死であれば24度〜40度の間。
羽が生えていない雛であれば35〜38度の間。
羽がまばらな雛であれば30〜38度の間。
を目安にして、その中から鳥が一番リラックスしている温度を見つけます。

実際には、鳥の様子を観察して、温度をきめます。


体調に合わせた保温・給餌をすることで、救命率が上がります。

・今回のムクドリの雛達は、保護当初は32度保温でしたが、巣立ち間近は26度まで下がりました。
・保護しているスズメ成鳥は動けなくなるほど衰弱していたが40度保温とポカリの給水で2時間ほどして
 立ち上がりました。その後オリジナルフォーミュラーの強制給餌と投薬治療で時間が掛かりました
 が回復しました。もう4年保護していますが、現在は体調に合わせて25度前後で保温しています。

●あると便利な保温グッズ
▼ペットヒーター
 スチール製カバーに入ったひよこ電球です。アサヒ・マルカンから発売されており、20W〜100Wまで
 何種類もあります。保温電球のため赤く暗い光しか出しません。
▼サーモスタット
 自動温度制御装置です。30度に設定しておくと、センサーを入れていた付近が温度が30度になると
 ヒーターを止めて、30度を下回るとまたヒーターをつけてくれる便利グッズです。
 バイメタル式と電子式があり、バイメタル式は誤差が非常に大きいのでお薦めしません。
 GEX社爬虫類サーモやアサヒ社電子サーモがお薦めです。



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■体重
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日付
5/22.夜56g
5/23.15時47.3g62.8g65.1g
5/24.19時55g63g65g
5/25.19時55g66g67g
5/26.19時59g66g67g
5/27.19時56g63g 
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■ムクドリ雛の体 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ (撮影は、雛に負担が掛からないように給餌の後に数分で行いました。)
5/24無ちゃん。 5/24無ちゃん。ムクドリの口の中は黄色
5/24無ちゃん。背面 5/24無ちゃん。腹面
5/24無ちゃん。尾部 5/24無ちゃん。羽翼
5/24無ちゃん。のど元 5/25無ちゃん。
5/26無ちゃん。 5/27赤ちゃん。
5/27黒ちゃん。怖がってる 5/27黒ちゃん。背面
5/27黒ちゃん。側面 5/27黒ちゃん。お顔
 
風切り羽の比較  
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■行政機関への届け出について ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  基本的に国産野鳥の飼育は認められていません。  一部例外がありますが、雛が保護されるような繁殖期は全ての鳥種において捕獲・飼育は違法行為となります。  鳥獣保護の管轄は都道府県になるため、東京都の私は、月曜日にすぐ東京都多摩環境事務所に連絡をしました。  が・・・今回の例においては保護下にはあるが、親鳥が給餌をしているということで、傷病鳥獣保護依頼書は  必要がないと言われました。  (うちには障害のため長期保護になっているスズメもいますが、そちらは保護依頼書を毎年更新しています。)  しかし、大抵のケースでは認可を受けていないと違法飼育となりますので、野鳥を保護した場合はお住まいの  都道府県の鳥獣保護担当に連絡をし、指示を仰いでください。 →プロローグに戻る。



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